バナナでもわかる話

開設当初は計量経済学・統計学が専門の大学院生でした。今はデータを扱うお仕事をしています。統計学・経済学・投資理論・マーケティング等々に関する勉強・解説ブログ。ときどき趣味も。極力数式は使わずイメージで説明出来るよう心掛けていますが、時々暴走します。

小学校のプログラミング教育必修化は授業でプログラミング教えるわけじゃないらしい

小学校教師である私の父親に、この間「プログラミング必修化になるらしいけど、どうするの?」と聞いてみたのが始まりです。


「勘違いされがちだけど、別にプログラミングは教えないよ。文科省曰く、プログラミング的思考を教えるんだ。」
まーた文科省の無茶ぶりで現場が混乱するといったようなニュアンスでそんなことを言っていました。


プログラミング的思考ってなんやねんと内心思いながらも、そこは現場の教員も同じ思いだろうと思い、突っ込まず
「じゃあ、それどうやって教えるの。科目が増えるの?」と聞いてみたところ


「各科目にプログラミング的思考を養う訓練を混ぜろとのお達しで、例えば算数を教える時に一定の手順を踏むことで解が出ることを教えるだとか、国語で論理的な思考力を養うとかそんな感じ。多分図工とか書道とかで織り交ぜるのは無理だから国語とかその辺に織り込む。あと、教科で織り込めない話は多分道徳とかにまわる?のかな」


はえー、これまた意味のわからん注文受けたんだな~。そして失敗して叩かれるのはまた教員というわけか。大変だなあという感想を持ちつつ

文科省の指導要領に何が書いてあるのか気になってきて、見てみました。
というかプログラミング的思考ってなんやねんってところが、どうにも引っかかって。


スポンサーリンク



文科省曰く

とりあえず、ここで指導要領は見れるみたいなので読んでみる。
小学校プログラミング教育の手引:文部科学省

最近改定されたみたいらしいので、父親と話した時のものとは少しズレがあるんですが、とりあえず現状プログラミング教育は確かに「普通の授業内に織り込んでプログラミング的思考等を育てるもの(A,B分類)」と「授業外(多分学活とか道徳とかその辺?)でプログラミング的思考等を育てるもの(C分類)」に分かれるみたい。


そんでもって肝心のプログラミング的思考が何なのかってとこですけど、

自分が意図する一連の活動を実現
するために、どのような動きの組合
せが必要であり、一つ一つの動きに
対応した記号を、どのように組み合
わせたらいいのか、記号の組合せを
どのように改善していけば、より意
図した活動に近づくのか、といった
ことを論理的に考えていく力

これをプログラミング的思考と呼んでいるみたい。

つまり、例えばほうれん草のおひたしを作るとして、ほうれん草はお湯が煮立ってから入れるか、水の段階で入れるかみたいな話でしょうか。
目標と各手順を曖昧なままにせず、記号のように考えその手順を目標に沿って明確に組み合わせる訓練をしようということですね。

んー、、自分が現場の教師だったとして、この資料を急に渡されてもうまく教えられる自身がないですね......

要は論理的思考力を育てなさいってことですよね。私一応塾の講師のバイトをしていますが、正直育てる努力はしているものの、小学生の段階では論理のロの字も理解出来ない子なんて山ほどいますし、そんな簡単に育てられるなら、言われずとも最初からやってるわ!という気がしてなりません。


あとその他、プログラミング的思考以外に養うべきこととして

身近な生活でコンピュータが活用さ
れていることや問題の解決には必要
な手順があることに気付くこと。
※プログラミング教育を通じて、
児童がおのずとプログラミング言
語を覚えたり、プログラミングの
技能を習得したりすることは考え
られるが、それ自体を、ねらいと
はしない。

コンピュータの働きを、よりよ
い人生や社会づくりに生かそう
とする態度。


おお。確かにうちの父親が言っていた通り、プログラミング技術を教えるわけではないということが明文化されていますね。どちらかというと、

「君たちの身近のものにプログラミングはたくさん活用されているのだよ~」ということを伝えたり、

「じゃあ、プログラミングをもっとどんなことに活かせるだろうか?」なんてのを考える機会を与えるというところでしょうか。


こっちは準備さえしっかりやれば結構簡単に出来そう。
ただその準備が教員の負担にならないことを祈るばかりです。


巷での噂は勘違いから

Twitterとかだと、小学校の教師がプログラミングを教えられるわけがないとの言説が結構主流ですが、プログラミングを教えるわけではないみたいです。英語導入の失敗(?)例があるからか結構過剰に叩かれていますよね。

私は身近に教員が居るのもあって、そんなに教員イジメないであげてよっていう思いがあって、算数の順序問題然り色々あるかとは思うわけですが
彼らも国(?)からの雇われなわけで、上に逆らえない部分やお達しを受けたからには無茶ぶりにも対処しなければならぬ事情のようなものもあるはずなんですよね。

そんでもって中学校とかでは無賃で部活顧問に駆り出され、、、意味のわからん時間にかかってくる親からのクレーム電話にも対処して、年末は給料も出ないのにせっせと生徒らに年賀状を作成。中々こき使われて、そこに急に英語だプログラミング思考だと上からの思い付きでボコボコと色々突っ込まれて。あれであの給料は結構ひどいよなあと個人的には思っています。


なんか話がズレていってしまった。

とにかく、プログラミング教育という名前だけが先行していますが、実態はそんなにゴリゴリパソコンを触るわけではないんじゃないかな?なんて思ったりしています。英語の時ほど神経質になる必要はなさそうな印象を受けました。