今日は因果関係の話でも。
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「収入が増えれば消費が増える」とか「広告を打てば売上が上がる」とかいったことを考えるにあたって、簡単に回帰分析をしてみましょう~!みたいな話はよく聞くと思います。
で、中級者くらいになると、そこから一歩ステップアップして「回帰分析で見ているのは、相関であって因果じゃない」という話を聞き始めると思います。回帰分析に限らず、因子分析や構造方程式モデリングでも同じです。
しかし、そうはいっても「まあ、注意はするけど、、、相関関係は考えるのがラクチンだし、、じゃあ因果関係を厳密に示すにはどうすればいいかっていうのも思い浮かばないし、、、注意しつつも回帰分析すればいいってこと?」みたいな話で有耶無耶にしている方も多いかもしれません。
そこで今回は、相関関係から因果関係にジャンプするためには何に注意すればいいかを書いていきたいと思います。
前後関係
まず、これはよく聞く話ですが、最低限前後関係はわかっていなければいけません。
例えば「雨が降る」と「地面が濡れる」という因果関係があったとします。
これは雨が降ったことが原因で地面が濡れたという結果があるわけですが、地面が濡れたから雨が降るわけではないですよね。
このように、因果には常に前後関係が伴います。よって、前後関係がおかしいのであれば因果が成り立つわけないですよね。
他に原因が無いか確認する
例えば、「地面が濡れる」という結果は、近所のオバサンが水をまいたから濡れている可能性もあるわけです。朝雪が降って、解けて濡れているだけかもしれません。このように、結果だけ見れば他に原因がある可能性があり、一面的に原因っぽいものを見つけてくるだけでは因果関係を特定したと言うことは出来ません。
トレンド
因果関係を考えるにあたって、事前にトレンドを排除しておかなければなりません。
例えば、「広告を打った」から「売上が上がった」という因果関係を考える際に、もしかしたら、全体的な市場のトレンドとして、売上が上がる傾向があっただけで、広告を打ったことは直接関係が無いかもしれない。
こうした状況を考えるために、例えば同時期に広告を打った商品と似ている、広告を打っていない商品であったり、その競合を比較するということが考えられます。
ただ、その時セレクションバイアス(元々広告を打っていない企業は弱っている企業でお金が無かったなど)が無いかは考えなければいけません。
カウンターファクター
本当にその原因が無ければその結果は発生しないのかといったことも考えなければなりません。
雨が降ったことで地面が濡れるということを確認したいのであれば、晴れの日に地面が濡れていないことも確認しなければいけませんよね。
当然実際問題、因果関係を考えるたびにこれらの条件を全て調べ上げてとなると骨が折れるし、ビジネスの現場で毎度こんなことを考慮する必要はありませんが、知ってるかどうかは結構行う分析の質に繋がってくると思います。
また、こういうことを知っておくと、まあ少なくとも常識的に前後関係はしっかりあって、他にも影響はありそうだけど、そこまで大きく影響を及ぼすことはなさそうだからこういう分析をしました~といった説明をすることも出来ます。