ルベーグ積分の勉強のために、タオの『ルベーグ積分入門』を読み始めました。
タオの教科書は、内容が非常に明快である一方、重要な部分がほとんど演習問題に任されていて、しかもその演習問題がそこそこ難しいということで*1、自分なりに演習問題を解いてみようと思います。数学科ではないので、証明等は自己流ですので、何か穴、指摘等あればお願いしますm(__)m
目次
演習1.1.1までの概要
中身の詰まった図形を何らかの方法で測量したいというモチベーションがある時に、簡単に測量出来そうな図形を内接、又は外接させ、その図形を測量するすることで、概算しようというのは結構ありがちな方針。
しかしそもそものあるあらゆる図形を測量出来るようにするのは、ちょっと難しいので、とりあえず測量しやすい集合(可測集合)に限定して測量しようという形で妥協する。
で、高校の時に教わったリーマン積分なんかを考え始めるわけだけど、リーマン積分ではジョルダン測度と呼ばれる測度を使って測量を行っていて、極限なんかを考え始めると途端にこの測度の可測範囲を外れてしまう。
そういうわけでルベーグ測度というのを考えたいという話。
で、ルベーグ測度の話を始める前にジョルダン測度の話をしておきたいが、それよりも前にもっと簡単な「基本測度」から導入を行うというわけでした。
演習1.1.1
ブール閉包(Boolean Closure)
の矩形を考える。有限個の矩形の和集合として書けるの部分集合を基本集合(Elementary Set)と呼ぶ。この時、次のことを示せ。
が基本集合であれば,,,も基本集合である。
ということで示していきます。
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まず、が基本集合であるとは次のよう。
を上の矩形とする。ここで、,
ここで
これは、個の矩形の和。よって定義よりは基本集合。
更に、
矩形と矩形の共通部分は矩形の定義より矩形。よっては基本集合。
次に
矩形同士の差集合は矩形の定義より基本集合。よっては基本集合。
先ほど示したように基本集合の共通部分は基本集合。よっては基本集合。
最後にについて、これは上に示したように基本集合の共通部分が基本集合なので明らか。
更に次も示す。
もしであれば、平行移動したもまた基本集合である。
より、
は矩形なので、d個の区間の直積に等しい。
などと置くと、
よっては区間の直積を取った矩形の和集合に等しい。
よって平行移動したものもまた基本集合。