バナナでもわかる話

計量経済学・統計学が専門の大学院生です。統計学・経済学・投資理論・マーケティング等々に関する勉強・解説ブログ。ときどき趣味も。極力数式は使わずイメージで説明出来るよう心掛けていますが、時々暴走します。

経済学でわからないことなんていっぱいあるという批判について

一昨日の記事がプチバズりしまして、社会人の方から多くのコメントを頂きました。

 

その中で私が特に気になったのが

 

 

「「経済学(or経営学)ではわからないことなんていっぱいある」」

 

「「経済学(or経営学)で全てを知った気になるな」」

 

 

個人的には、「そんなことは当たり前」としか言いようが無いわけですが誤解を与えてしまったようです。

 

この誤解、私の記事に限らず経済学を扱う議論で、外部の方から必ず言われる話で、このあたりの話が勘違いであるということを世に広めねばなるまいと痛感いたしました。

 

 

経済学はモデルの学問

特に驚いたのが、前の記事で「経済学でわからないことなんていっぱいある」という批判をしていた人達の中に理系の(恐らく)技術者の方が多くいらっしゃったことで、むしろ物理統計を学ぶ機会のある理系のかたの方が、モデルを扱う学問に習熟しているはずなのに...何故経済学となると途端にその思考を忘れてしまうのだろう....と少々悲観的になってしまいました。

 

長く愚痴ってしまったわけですが、何を言っているかわからんという人に説明していくと

 

まずここでいう"モデルの学問"とはどういう意味合いで言っているのかというと

 

複雑怪奇に組み合わさった物事を、モデルという形で、ある側面だけ切り取り、仮説を立て、それを適当なデータをもとに実証することで、複雑すぎて何が起きているかよくわからない物事に対して一つの切り口を与える学問

 

それを今回"モデルの学問"と呼んでいます。経済学もこの学問に該当します。故に

 

「経済学でわからないことなんていっぱいある」

「経済学で全てを知った気になるな」

 

という批判に対しては「そんな気になんてなっていません」としか言いようがないわけです。

 

ただ、私の経験の浅さから、前回の記事では実証(ブログであれば実例をあげる?)までには到達出来ないため、冒頭で「説」、つまり「仮説」として提案すると述べ、仮説の提案をさせていただいたわけですが、その辺りもあまり伝わらなかったようです。

 

 

経済・経営学の基本スタンス

モデルの学問とひとくくりにしましたが、物理学と経済経営学とでは決定的に違う部分が1つあって

 

端的に言うと

 

経済学・経営学の扱う対象の方が確率的な誤差(分散)が大きい場合が多い

 

というところです。

(あまり詳しくありませんが、物理学の世界でも量子力学の世界は確率的な事象が多いと聞きます。その辺りが少し近いかもしれません。)

 

そのため、経済学・経営学を扱った分析は、ある種の示唆を与えるに留まることが多く、

 

「モデル・理論の観点から考えるとこのようになりました。一般化すると、(分散の大きさから)個々の事象に対する当てはまりが悪くなるため、各人これを踏まえて自社の利益向上に活かしてみてください。経済活性化のための施策を考えてみてください。」

 

という提案をするに留まるわけです。

 

 

この基本スタンスが、まだまだ世の中に広まっていない!とこの間のバズっぷりで強く思いました。

 

また、世間の経済経営学問蔑視も根強いなという印象も受けました。

 

 

このブログでももう少し、経済学の扱い方、向き合い方についての記事を書いて、世の中に広めていきたいなと思っています。