統計検定1級では、最尤推定量を求める問題が頻出しています。そこで、最尤推定量を求める問題についてまとめました。
目次
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一様分布
パラメータ1つの場合
最大値が未知パラメータの次のような一様分布を考えます。
この時の、パラメータの最尤推定量を求めます。
n個のサンプルが得られたとして、その同時尤度は
この尤度を最大化する推定量
を考えます。
ただし、暗黙の条件に次の条件があることに注意します。
不等式制約があるので、正の変数を用いて、次のようなKKT条件を考える。
…①
…②
…③
であるとすると、①の等式が成り立たない。
よって
ちなみに、この問題は実際の試験で出題されています。
また、最大値ではなく最小値が未知パラメータである場合も同様の方法でと得られます。
パラメータが2つの場合
最大値も最小値も未知パラメータであるような一様分布として、次のようなものを考えます。
この時、n個サンプルを得た時の同時尤度は次のようになります。
更に、暗黙的に次の条件があることがわかります。
不等式制約なので、正の変数を用いて次のようなKKT条件を考えます。
…①
…②
…③
…④
…⑤
…⑥
⑤、⑥について、もしであったとすると、①、②の等式は成り立たない。
よって、それぞれのパラメータの最尤推定量は
ベルヌーイ分布
ベルヌーイ分布の確率質量関数は次のよう。
ここで、n個のサンプルを考えた場合の同時尤度は
ここで、の対数を取ると次のよう。
ここでの最尤推定量
は次の等式を満たす
に等しい。
よって
ポアソン分布
ポアソン分布の確率質量関数は次の通り。
サンプルをn個取り出したとすると同時尤度は次のよう。
ここで、対数を取ってやると
よっての最尤推定量
は次の等式を満たす
に等しい。
以上より
正規分布
正規分布の確率密度関数は次の通り。
同時尤度は
ここで対数を取ると
この時、の最尤推定量
は次の等式から得られる。
よって、
指数分布
指数分布の確率密度関数は次の通り
この時同時尤度は
ここで、対数を取ると
この時、の最尤推定量
は次の等式から得られる。
よって、