バナナでもわかる話

計量経済学・統計学が専門の大学院生です。統計学・経済学・投資理論・マーケティング等々に関する勉強・解説ブログ。ときどき趣味も。極力数式は使わずイメージで説明出来るよう心掛けていますが、時々暴走します。

線形仮定を置かない相関係数の解釈~共分散に基づくもの~

何回か相関係数についての話をしてきましたが、今回が最終回です。
過去記事はこちら
相関係数の目安と解釈と注意点~舐めてかかると痛い目を見る話~ - バナナでもわかる話
最小二乗法による相関係数の導出~相関係数の意外な解釈法 - バナナでもわかる話
Rを使った相関分析の気を付けるべき一例 - バナナでもわかる話


今まではずっと因果関係の文脈で相関係数の話をしてきましたが、今回は最も仮定を置かない形で、自然な相関係数の解釈って何だろうという話をします。


今まで執拗に、相関係数で因果を見る場合には無意識に「線形の仮定」を置いている。

という話をし、相関係数が高いとは線形関係があることではなく、線形関係を既に仮定した上で、じゃあどの程度関係が強いか見ているにすぎないという話をしてきました。

では、最後に

相関係数の値が高いと必ず線形関係であるとは限らないならば、


線形の仮定を置かずに「相関係数が高い」という事実はどう解釈すればいいのか


と言う話をして終わろうと思います。

相関係数とは

一番初めの記事で、相関係数とは次のようなものだと書きました。
 \rho=\frac{Cov[X,Y]}{\sigma_x\sigma_y}

この時点では、線形の仮定はありませんよね。

つまり、この式自体をそのまま解釈することが相関係数の最も自然な解釈です。


これをそのまま見つめてやると、

共分散を二種類の標準偏差で標準化していると考えることが出来ますね。


共分散とは要はプロットした場合に第一、第三象限にプロットされるか、第二、第四象限にプロットされるかという話をしているにすぎません。要はこういうこと

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ちなみに↑のデータの相関係数を出してやると0.79あります。



当然、ここに線形仮定は介在しません。

つまり、この時点で相関が高いとはどう解釈すればよいかと言うと

「何かしらの緩い関係はありそうだ」

であって、別に因果関係があるだとか線形関係があるだとか、ましてや正規分布がーなんて話は言えないわけです。



今までの話を踏まえた総まとめ

つまり、相関係数を使用する場合、各人使用者は無意識に仮定を置いてからはじめてしまっているわけです。

最も仮定のないピュアな相関係数は「何かしらの関係がある」しか言えないわけで、

そこに因果を考えようとした瞬間、使用者は無意識に線形仮定を加えていて、前回やった最小二乗法に基づいた相関係数を見るわけです。



よって最もピュアな相関係数を考えるにあたって注意すべきは「外れ値があるかどうか」の1点のみなわけです。
※共分散が存在しないといけないため、外れ値の出る分布はまずい

ただ、何度も言っているように、ピュアな相関係数は仮定が無い分解釈しにくい、結局「何かしらの関係がありそう」しか言えないことになるので、せめて線形仮定を置いた相関係数で考えることで、初めて因果の話に繋がるわけです。