バナナでもわかる話

開設当初は計量経済学・統計学が専門の大学院生でした。今はデータを扱うお仕事をしています。統計学・経済学・投資理論・マーケティング等々に関する勉強・解説ブログ。ときどき趣味も。極力数式は使わずイメージで説明出来るよう心掛けていますが、時々暴走します。

最早哲学書、芸術的な不遇の傑作マイナー漫画「トラウマイスタ」

個人的に好きだから、もっともっと広まってほしいマイナー漫画をまたもや紹介させていただきます。

ちなみに前回、前々回の記事はこちらです。
「いでじゅう」っていう漫画が好きだった - バナナでもわかる話
「チャゲチャ」というジャンプ史上伝説の漫画 - バナナでもわかる話




今回は「トラウマイスタ」という作品を紹介します。
これは、個人的にはもっともっと広まってほしい。考えさせられる作品だなあと思っています。


この漫画は、私が中学生だった頃に読んで衝撃を受けた本で、何度も読み返したのですが、不遇の打ち切りを遂げてしまった作品です。

少年サンデー読者よりも、もう少し大人の方が対象のような気がします。
打ち切りではありますが、話の展開として打ち切り感はありません。しっかり短めの作品として話がまとまっています。



概要

※(ネタバレはしません。是非作品をご覧ください。)

生涯心に刻まれ続けるトラウマ。皆さんは持っていたりしますか?

なんかこうふとした時に思い出して、嫌な気分になる。
人よりも過剰にその物事を避けてしまう。

人は過去のつらい経験や苦しい経験に対して防衛行動を取るべく、その原因となった物事をトラウマとして深く心に刻み込みます。


トラウマは事前に恐ろしいことを避けるセンサーと化しますが、その一方で行き過ぎたトラウマは、自身の成長を妨げ、自らの能力の幅を縮めることに繋がります。



もし、本当に能力を高め、成長していきたいのであれば

自身のトラウマは飼い慣らす必要がある


この作品は、名前の通り「トラウマ」について描いており、


具現化された自己のトラウマを掌握し、そのトラウマを飼い慣らすことで力を得、そのトラウマとひたすら向き合っていく

つまり、「乗り越え」、「成長し」、「自己と向き合う」、そんなプロセスを少年漫画風にバトル物に仕立て上げています。


ちなみに全5巻。





あまり書くとネタバレになるから書けませんが、随所随所で哲学的な思想がもりこまれていて、本当に哲学書と合わせて読むと勉強になるとさえ思います。インド哲学の梵我一如的な考え方と、ヨーロッパの自己に対する考え方が入り混じった独特な漫画です。



下の本と合わせて読むと、更に楽しめます。



ちょっと、前回前々回よりも気合入れて語りすぎてしまいましたが、とにかくこの作品はすごいんです。
タイミングと出版社さえ合えば、傑作になっていたに違いありません。



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ちなみに作者の中山 敦支さんは、この作品の後、


ヤングジャンプにて「ねじまきカギュー」という作品でブレイクしています。
この作品は現在Amazonにて、期間限定無料で読めるみたいなので、是非読んでみると良いかもしれません。こちらも紹介はしませんが、オススメです。
※キャンペーン終わっちゃったみたいです。